2017年10月24日火曜日

コスタリカの国民健康保険・医療制度について


メガネ無の私!

前回は、母の白内障の手術について触れましたが。その際に観察した事を基に私も手術を受けようという気になったのです。そして、実際に白内障の手術を9月に受けたのです!右がメガネ無しで物を見えるようになった私です!
その経験について記載する前に、今日はコスタリカの医療制度について、簡単に枠組みだけでも説明したいと思います。コスタリカ市民および滞在許可をもっている者は全て、通称CAJA(カハと読みます)と呼ばれる国民健康保険に加入しなければなりません。自分が雇用されている場合には、その雇用先の企業を通して加入する事になりますが、自営業者とか、雇用されていない場合には、自主的に加入する事になります。私達のような外国人年金退職者は、移民管理局から滞在許可のビサをもらう為には、CAJAに入る事が必要条件となっています。CAJAに加入しないと、滞在許可はおりません。
こちらに来る前、特に母が86歳で当地に移住してきた際には(母は来年一月で96歳になります)、当地の医療レベルと質に関してとても心配していました。何せ、母は移住の半年前に心筋梗塞で倒れ、手術をしたヶ月後にこちらに来たので、それはそれは心配だったと思います。CAJA医療は国籍に関係無く、全加入者に対し等しく適応されます。 
自然の美がそのまま見える目になりました。
毎月支払う国民健康保険料は、米国の保険料と比較すると「スズメの涙」ほどです。例えば、95歳になる母の健康保険料は毎月75ドル、私は毎月49ドルの掛け金を支払っています。この金額は、その人の収入と年齢に関係しているようです。私の掛け金は、扶養家族の息子が19歳になるまでの期間は、彼も含んでの家族全体の保険料でした。ただし、この掛け金は、過去10年間、少しずつ増加しています。
この健康保険料さえ支払っていれば、どのような病気でも対応してくれます。米国のように、既往症は対象外とか、そういう差別はされません。まず、CAJAに入ると、その居住地にあるEBAIS(エバイスと読みます)という居住地指定のクリニックに所属する事になります。そこEBAISには、月曜から金曜まで医師がおり、事務所は朝の7時に開くのですが、医者に診て欲しい人は、さらに早い時間に行って長い列に並び7時まで待ち、その日の医師との面会の予約を取ります。実際の診察は午前10時から午後半ば頃まで入れているようですが、これは、地域によって違うのかもしれません。
 その後、予約指定の時間にそのクリニックに戻り、お医者さんに診察してもらい、薬が必要であれば処方箋をもらい、それをクリニック内の薬局で受け取ります。血液検査とかが必要であれば、別の日に予約を取り、そのクリニック、または、大きな町(例えばアテナス市とか)の大きなクリニックに行って、予約をとり、血液検査をしてもらいます。薬はEBAISクリニックでも、大きな町のクリニックでも、いずれでも入手可能です。
病気の問題がEBAISでは手に負えない場合には、その主治医が、大病院の専門医に対し「推薦状」を書いてくれますので、それを、大病院(これも、居住地に基づいて指定されています)に持って行って、まずは予約を取る事になります。予約を取りに行くのはいいのですが、実際の診察が可能となる予約までの待ち期間がとても長いので(病気の内容によっても違うようですが、中には2年も、3年も待たされる事が多々あるようです)、裕福層の人達はCAJA医療を使わないで、プライベートの医療保険に加入し、プライベート医療施設を使うようです。もちろん、プライベート医療保険の方が高額ですが、サービスは比較にならない位良いようです。
プライベート医療の場合には、その殆どの医師がバイリンガル(英語、西語)で、事務員や看護師も英語の分かる人達が多いです。それら医療施設やビルは新しく、綺麗で、西欧技術の第5次元の最新鋭の設備機器を取り入れているようです。また、スタッフや医師の患者に対する取り扱いも、CAJAで働くスタッフと比べると、とても愛想よく、親切で、丁寧に対応してくれます。
健康保険証書です
母は2008年に到着当時、まだ、滞在許可がおりていなかったので、最初はプライベートのクリニックと病院で循環器系の専門医に診てもらっていました。その当時、予約を取ると、確か$80ドル位だったと記憶していますが、診察には、少なくても30分位、多いと45分から1時間とか費やしてくれ、心電図や血圧を図ったり聴診器を当てたりと、専門医自身が一つ一つ説明しながらやってくれるので、母は、「先生が、私の話を聞いてくれ、体を診察してくれ、手取足取り手助けをしてくれるので、それだけでも、体が健康になる気がします。有難うございました。」と言って、病院を立ち去っていました。プライベート病院で私達が時折使うのが、CIMAという高級住宅地の町として知られているエスカズ市内にある病院です。
毎月の保険料支払領収書
現在は、私達には永住滞在許可が出ているので、母はCAJAの医療機関を使っていますが、日本や米国と違うのは、病院に行く際に、お金やお財布を持っていく必要がないということです。単に、右上にあるような健康保険カードを見せ、左にあるような支払領収書を見せるだけでいいのです。たとえ、それが、緊急病院であれ、EBAISクリニックであれ、大病院であれ、大手術であれ、月々の健康保険料さえ支払っていれば、それ以外のお金を支払う必要が全く無いのです。薬もCAJAが出してくれるものは、無料でもらえます。

         母は、年に二回程、Hospital Alajuela所属の循環器系専門医Dr. Hernandesに診察してもらいますが、2週間ほど前に必ず血液検査、心電図等を受けます。診察の際に先生は平均して20分から30分の時間を費やしてくれるので、母はとても嬉しいようです。日本だと「せいぜい多くて5分位で、手取り足取りで診断してくれることも、笑顔で優しい言葉をかけてくれることも全然無かった。」と母は言います。また、このDr. Hernandesは、若く(30代後半?)、ハンサムで、とても優しく接してくれるのです。だから、母は病院に行く度にさらに元気になって帰って来るのです。
カサド(私用)
ボロボロご飯のダメな母用の魚料理

そして、帰り際には、コスタリカの代表的な定食カサドをランチとして、ソーダと呼ばれるアルコール無しのレストランで食べながら帰宅するのです。これって、結構いけるのですよ。

さて、白内障に話を戻すと、CAJAを使用して白内障やその他の手術を受けている加入者は多いですし、当地の外国人年金退職者の中にもCAJA病院でしている人達もいるようですが、私と母は、気が短いというか、待つのが嫌な性格なので、2年も、3年も待つと考えただけでやる気がなくなってしまいます、そのような訳で、今回の手術は外来で手術自体は20分位、そして待つ事なく手術が出来るというので、プライベート医療を使ってする事にしました。
では、これまたハンサムな眼科手術医Dr. Tapiaによってなされた私の白内障手術の全行程に関しては、次の投稿をご期待下さい。


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